海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

日本の戦争体験とハラブジャの共通点

落語の後、

昭和館の展示に足を運んだ。

 

7階でエレベーターを降りると、

まるで空襲後の焼け野原に迷い込んだような気にさせられた。

 

ハラブジャの記念博物館みたい。

 

ハラブジャはイラン国境に近いイラククルド自治区のハラブジャ州の州都。

イランイラク戦争末期の1988年、

イラン側に加担したとして、

サダム・フセイン化学兵器

ハラブジャ市民を虐殺したむごたらしい事件。

死者は5000人に上るとも言われている。

15,000人以上が負傷し、いまだに後遺症に苦しんでいる人もいる。

 

そのハラブジャに、記念博物館が設立されている。

 

ハラブジャでも支援事業を実施しているので、

ハラブジャに行く機会があった。

 

ハラブジャに行くのに

記念博物館に立ち寄らずには帰れない。

 

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ハラブジャの記念博物館

 

博物館には、事件直後の町の様子が

マネキン人形で再現されていた。

多くの人が倒れている。子供も。動物も。

生き残った人はほんの数人。

そして、博物館には

確認された全ての被害者の名前が

記されている。

 

ハラブジャの人たちは

広島、長崎と自分たちを兄弟だと思っている。

文明の凶器に侵された街という共通点。

 

国境を越えた繋がりがこんなところにあった。

でも、このような不幸を通じた繋がりが、

今後は広がらないことを心から願う。

 

追伸 

恩師の国際政治学者、高橋和夫先生のブログにも

ハラブジャの記事がありました。博物館の写真もあります。

私は生々しすぎる展示の写真は撮れませんでした。。。

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