海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

コロナ・ウイルス、中東へ - 続報

先日、イランを中心に中東でコロナ・ウィルスが広がっていることを書いた。

イランでの死者は、2月28日現在、政府公式発表で34人、感染者は388人に登っている。

(未確認非公式情報では死者は60人を超えているとも言われている。)

 

イラクで新たな感染者が見つかっている。現在、8名。

やはりイランからの帰国者らしい。

 

イラク政府もクルド自治政府も、早急にイランとの国境を閉鎖し、

イランからのフライトもすべて運休とした。

現在イランにいるイラク人が帰国の際は、

家に帰る前に14日間隔離され、

家屋も医療チームにより検疫される。

 

クルド自治政府は、日本よりも早く全ての学校を休校とし、

お葬式やモスクでの集会など人が集まる場への参加の自粛などを呼び掛けている。

また、政府機関も緊急以外の業務を停止し、

全てのチェック・ポイントに医療チームを派遣して、

クルド自治区内も含め州間の不要な行き来を制限させ、

さらに、外からクルド自治区に入域するすべての人に検査を行う旨、発表した。

 

更に、イラク政府は、当初、中国人とイラン人にのみ課していた入国制限を

コロナ・ウイルスの被害が拡大している日本や韓国、タイ、シンガポール、イタリア、バハレーン、レバノンにも適用した。

 

残念ながら現場では、

日本人を含めたアジア人への中傷的な行動が目立ってきているようだ。

先日書いたように、

道で「コロナ!」と叫ばれたり、顔を衣服で隠すようなしぐさをされたり。

 

以前駐在していたエルサレムでも、

同じように、「コロナ!」と中傷を受けたり、

バスやトラムなどの公共交通機関で、身の危険を感じる程の態度を現地の人がとったり。

 

このような、人々の短絡的な行動を残念に思うとともに、

コロナ・ウイルスが大きな治安問題と化していることを痛感する。

 

イスラエルは早い段階で厳しい入国制限を始めたが、

イラクも同様に、厳重な対応策を講じている。

日本もがんばれ、プリーズ!