海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

再びイード・ムバラク!

イードムバラク! 犠牲祭、おめでとう!

 

5月の断食月ラマダンが開けた時も

イードムバラク! イード、おめでとう! と挨拶をする。

 

厳密には、断食明けのイード

イード・アル・フィトル(Eid Al-fitr)と呼ばれ、

まさに断食月開けを祝う祝日。

今年の5月のイード記事はこちら。

parwana.hatenablog.com

 

今回のイードは、イード・アル・アドハ(Eid Al-Adhah)と呼ばれ、今年は多くの国で7月30日から始まった。

アブラハムが息子のイシュマエルを神アッラーへ生贄として捧げた事を記念する日で日本語では犠牲祭とも呼ばれる。

 

あれ、この話、旧約聖書の創世記に出てくる話じゃないですか!

さすが、イスラム教、キリスト教ユダヤ教は同じ唯一絶対神を信じているだけある。

聖書の方ではイシュマイルでなくイサクという名前だけれど。

イサ(イエス(・キリスト))やマリアム((聖母)マリア)という名前のイスラム教徒もいて、

これらキリスト教の聖人はイスラム教でも聖人として尊敬されている。

もちろん最後の最も偉大なる預言者はモハメッドだけれど。

 

生贄のエピソードを祝う祝日だから、

犠牲祭のイードでは多くの家庭が羊を丸ごと買い、解体して、

肉を家族や友人、貧しい人などへ配るのが慣わし。

各家庭ではごちそうを作り、

親類や友人宅を訪ねて回って、イードを祝う。

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イード用羊即売所

 

また、犠牲祭は太陰暦であるイスラム教のヒジュラ歴の巡礼月(ヒッジャ月)の最終日に当たる。

イスラム教徒はこの時期、ハッジと呼ばれるイスラム教の大本山ともいうべきメッカに巡礼を行う。

コーランでは一生に一度はメッカに巡礼を行うように義務づけられているので、例年、この季節のメッカは大渋滞で大混乱。

毎年必ず死者が出るようだ。

巡礼に行ってメッカで死ねば大往生で天国に行けるのかな?!

 

そんな巡礼月と生贄の犠牲祭に

今年はコロナウイルスで異変が起こっている。

 

コロナウイルスの勢いが止まらないサウジアラビア政府は、今年のメッカ巡礼を厳しく規制して、

例年250万人ものイスラム教徒がおメッカ参りに詣でるのに、今年はサウジアラビア政府が巡礼者の数を外国人含むサウジアラビア在住者1000人に限定した。

 

巡礼者も、マスク着用、ソーシャルディスタンス、体温検温、などなど。

 

幸運なる今年の巡礼者の選抜方法は明らかにされておらず、

今年ハッジに行けるのは250万人中の1000人で、当選確率0.04%!!

今年ハッジに行ける人は神から選ばれた人?!

が、「不透明な」巡礼者選抜プロセスに

幸運の女神が微笑まなかった人からの不満が続出らしい。

あるあるだ!