海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

国際緊急援助隊、モーリシャスに出動

インド洋モーリシャス沖で日本の貨物船が7月25日に座礁して

早1か月以上が経過した。

 

最悪と報道される原油流出事故では、

1,000トン以上もの原油が海の色を変え、

あたりの生態系にも多大なる影響を与えるらしい。

 

ニュースで映像や写真を見ると

海がねっとり黒々とした様相に変わり果ててて

胸が痛い。

www.bbc.com

 

南国パラダイス・美しい海が売りの観光立国モーリシャス

現地ダイバーや市民などがボランティアで、

手作業で原油を取り除くという。

気の遠くなるような手作業を展開しているそうだ。

 

日本の貨物船が引き起こした大事故ということで

(かどうかは分からないけれど)

モーリシャス政府からの要請もあり、

日本からも国際緊急援助隊が出動した。

 

 隊員総勢6名じゃなくって、もう少し大きくいこうよ!

という突っ込みは置いておき。

 

モーリシャス日本大使館フェイスブック

JDRの活動の様子がうかがえる

https://www.facebook.com/JapanEmb.Mauritius/

 

この国際緊急援助隊JDR)は、

日本国の国際的に活動する緊急援助機能。

www.jica.go.jp

 

恥ずかしながら、

同じ業界ながら、この4月から転職して日本で働き始めるまで

JRDの存在を知らなかった。

いろいろな緊急支援の現場で

隊員や調整員に出会っていても

おかしくないはずなのだけれど、

残念ながら、接点がなかった。

 

存在を知ってしまった以上、JDRに登録しないはずはない!

私も最近研修を受け、調整員要員として無事登録完了~!

 

JDRには警察や消防庁海上保安庁など省庁の

そうそうたるキャリアの方々が専門家登録していて、

緊急事態が発生すると、あっという間に隊が編成され、

迅速に現場に駆け付ける。

救援の場合は、救助犬のワンちゃんも引き連れて。

私が登録した調整員も隊の一部として、

関係各所との調整始め、何でも屋としての役割を担う。

 

さて、モーリシャス沖の事故は

現地政府からの要請に基づき、

日本から環境の専門家含むJDRが派遣されたけれど、

タイミング悪く、巷ではコロナ・ウイルス蔓延の時期で

モーリシャスへの入国も大変ならしい。

緊急支援で駆けつけているのに、

入国後14日は隔離されなくてはならないなどの

何とも不便な手続きが立ちはだかっているようだ。

 

モーリシャスのような小さい島国の

しかも、インフラや医療施設の十分整っていない国で

コロナ・ウイルスが発生すると適切で十分な対応ができず、

感染爆発の危険性がある。

 

ちなみに、現在のモーリシャスコロナウイルス感染状況は

なんとゼロ!

以前は多少の感染者がいたけれど、

撲滅に成功したらしい!

 

そんな国に、支援で入った支援隊が

コロナ・ウイルスをまき散らしてしまっては本末転倒。

別の緊急支援が必要になってしまう。

 

入念な準備と対策をして

JDR3次隊が9月2日に現地に旅立った。