前回、シリア難民キャンプの話をした。
難民はなかなか祖国に帰れないので、
月日が経つにつれて、キャンプ内のテントは徐々にアップグレードされていき、
いろいろな施設やお店ができ始めて、町化すると書いた。
初めてイラクに着任した2015年、
私の所属していた支援団体は
まだキャンプの拡張やコンクリートで
テントの土台を作っていたけれど、
数年後から、仮設住宅(業界ではシェルターと呼んでいる)を
アップグレードしていく事業を始めた。
団体がちゃっちゃっとシェルターを作って、
難民にあてがうのではなく、
難民自らが、建設の主導権を持つ。
ベッドルームにリビング、台所、バスルーム、トイレなど
作らなくてはいけない部分とその仕様は決まっているものの、
その他は、難民が自分の好きなように、
自分の家を形づくって行く。
他国ながら、必要最低限ながら、
自ら我が城を作っていく感覚。
皆、張り切るよね!
団体側は、配布する建築資材が適切に使われているかどうかと、技術的な確認を行う。
イラクに駐在した5年間、
キャンプと難民の生活を見守っていたけれど、
イラクを離れて早1年あまり
今はどんな様子なのかと、元同僚に写真を送ってもらった。
なんとびっくり!!
全くキャンプの中とは思えない!
カラフルに彩られた外壁、庭のささやかな野菜栽培、
華やかな玄関先の花々。
まるで普通の商店街にいるような外観の店店が
ショーウィンドーで商品をアピールしている。
人間の潜在能力と実行力を目の当たりにする気がした!
こうやってキャンプは町化していく。