海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

難民キャンプって実際どんな感じ?

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前回、シリア難民キャンプの話をした。

 

難民はなかなか祖国に帰れないので、

月日が経つにつれて、キャンプ内のテントは徐々にアップグレードされていき、

いろいろな施設やお店ができ始めて、町化すると書いた。

parwana.hatenablog.com

 

初めてイラクに着任した2015年、

私の所属していた支援団体は

まだキャンプの拡張やコンクリート

テントの土台を作っていたけれど、

数年後から、仮設住宅(業界ではシェルターと呼んでいる)を

アップグレードしていく事業を始めた。

 

団体がちゃっちゃっとシェルターを作って、

難民にあてがうのではなく、

難民自らが、建設の主導権を持つ。

ベッドルームにリビング、台所、バスルーム、トイレなど

作らなくてはいけない部分とその仕様は決まっているものの、

その他は、難民が自分の好きなように、

自分の家を形づくって行く。

 

他国ながら、必要最低限ながら、

自ら我が城を作っていく感覚。

皆、張り切るよね!

 

団体側は、配布する建築資材が適切に使われているかどうかと、技術的な確認を行う。

 

イラクに駐在した5年間、

キャンプと難民の生活を見守っていたけれど、

イラクを離れて早1年あまり

今はどんな様子なのかと、元同僚に写真を送ってもらった。

 

なんとびっくり!!

全くキャンプの中とは思えない!

カラフルに彩られた外壁、庭のささやかな野菜栽培、

華やかな玄関先の花々。

 

まるで普通の商店街にいるような外観の店店が

ショーウィンドーで商品をアピールしている。

 

人間の潜在能力と実行力を目の当たりにする気がした!

 

こうやってキャンプは町化していく。

 

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立派なモスクもできました