海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

『イスラム教徒の頭の中』を読む前に思い出したあれこれ

読書は好きだけれど、

20年近くのあちらこちらの国での駐在中には

読書はほとんどしなかった。

オンラインで読むのは目に悪そうという抵抗があったし、

紙の本は日本語も英語も手に入りにくい環境だったし。

 

2年程前に日本に帰って来て、

たくさん本屋さんがあるし、

いろいろな本が簡単に手に入る

日本の環境に、改めてとっても感激している💛

 

近所の図書館にも足しげく通っている。

図書館の数も多くて、感激!

 

区立図書館、都立図書館、漫画喫茶、本屋で立ち読み、

よりどりみどり♪

これって、世界でも本当に恵まれてる環境なんですよ!

 

図書館ではいつもはお目当ての本を予約するので

余り書架は見て歩かないのだけど、

その日は時間もあり、ぶらぶらと書架を歩いて回った。

 

そこで目にした『イスラム教徒の頭の中』という本。

吉村作治著。

イスラム教徒の頭の中アラブ人と日本人、何が違って何が同じ?[吉村作治]

 

おお、エジプト考古学者の吉村先生!
昔、大好きなTVクイズ番組『世界ふしぎ発見!』で

吉村先生のファンでした💛

 

私、イスラム圏には駐在経験あり。

アフガニスタンイラクパレスチナ、などなど。

 

初の駐在地で5年間駐在していたアフガニスタン

正式国名はアフガニスタン・イスラム共和国

国名が示す通り、バリバリ厳格なイスラム教国。

駐在地で唯一、いつもスカーフで頭を覆っていた。

日本への帰国後も

時折、「あ、スカーフがずれてない?」なんて、

もうスカーフなんてしていないのに、

無意識に頭を触ってスカーフがちゃんと髪を覆っているかを確認する動作が習慣化してしまっていた。

 

ヒンズー教徒が多数派のインドにも

イスラム教徒はたくさんいる(*)。

コルコタのマザー・テレサの神の愛の宣教者会で

ボランティアした時は、

1日5回のお祈りを促すモスクからの放送

アッラーーーー、アクバル!(神は偉大なり)」って

雄叫びのアザーン

朝4時とか5時に鳴り響くのがうるさかったけれど、

離れてみたら、ちょっと物足りなく感じちゃったりした。

(それで、アザーンの目覚まし時計を使った時もあったりして、笑。これです、これ!)

www.youtube.com

 

他の駐在国アフリカのケニヤでも、

人々の宗教は混在している。

駐在していたダダーブはソマリア難民の難民キャンプがある。

民族も隣国ソマリアと同じソマリ人でイスラム圏。

地元職員は、お祈りの時間になると

お祈り用マットを敷いてお祈りしていた。

 

 

イスラム教の信者数は増加の一途を辿っていて、

現在22.5憶人程度で信者数世界一のキリスト教

2050年までには追い抜く勢いらしい。

 

イスラム教というと一般に中東のイメージがある。

確かに、イスラム教が発生したのは中東だし、

サウジアラビアのメッカが総本山だし、

中東諸国の人口におけるイスラム教徒率は高いけれど、

人数では、人口の多いアジア、アフリカが数で圧勝している。

 

おっと、『イスラム教徒の頭の中』の話でした。

 

この本、2017年出版だけれど、

元は1990年に出版された本を改題して再出版したものらしい。

1990年は、まだ湾岸戦争アメリカの同時多発テロ9.11起こっていない、イスラム国もない。

私も日本政府の「世界青年の船」っていう青少年事業で

人生初めて中東湾岸諸国の白装束男子たちと

お知り合いになる前。

日本はバブル経済が弾ける直前のいい時代だったなぁ。

 

当時の私はイスラム教やイスラム教国には

全くもって関心なく、

世界を動かしているのは経済だ!最先端で時代を動かす外資の金融に就職したい!なんて希望に燃えてたなぁ。

それが、こんなにイスラム教国、イスラム教を身近に感じるようになるなんてなぁ。しみじみ。

 

ところで、本の内容、古くないかな?!などと思いながら、

ページを開いた。

 

(*)ヒンズー教国と言っても、インドは16億人もの人口を抱える世界人口ランキング第2位の大国で、イスラム教徒は1.77憶人もいる。インドネシアパキスタンに次ぐ世界3位のイスラム教国でもあるのです。1.77憶人と言ったら日本の人口より多いでないの!(日本の人口は2019年推計で1.26億)