海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

『イスラム教徒の頭の中』を読みながら思ったあれこれ

前回から時間が開いてしまったけど、

イスラム教徒の頭の中』

今回は読みながら思ったあれこれ。

parwana.hatenablog.com

 

このタイトル、正確でない気がする。

イスラム教徒というよりは、

著者のエジプト考古学者・吉村作治先生が居住していた

エジプト人の頭の中って方が正確なのではないかと思う。

 

今やイスラム教徒は中東から、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカと広く広がって、

その人口は2050年までにはキリスト教を追い抜き

世界一になるとみられているらしい。

地域の文化や国の背景、はたまた国政により

宗教のあり方って異なってくると思うし、

実際、女性が真っ黒アバヤで全身を覆うほど

厳格な中東湾岸の国から、

同じ中東でもイラク北部のクルド自治区

女性でもスカーフさえせず、

暑い時は半袖シャツを着たりしているくらい、

国によって地域によって戒律が大きく異なっている。

 

 

私のイスラム教徒男子のイメージは、

自国では戒律に縛られ抑圧されているから

外国ではパーンと弾けちゃう。

飲酒も、女性に対しても。

 

昔々参加した、難破船ならぬナンパ船とも呼ばれる

日本政府主催の青少年事業「世界青年の船」

クルーズ船に乗って

アジア、アラブ、アフリカ、欧州約10か国から

青少年100人が船で旅をしながら

異文化理解、相互理解を図る。

スリランカ南アフリカタンザニア、ドバイ、

シンガポールに訪問しながら、

2か月間の船上生活を過ごした。

豪華な事業で、いい思いをさせてもらった。

 

しかし、2か月あればいろいろある。

ナンパ船上での若者男女の秘めゴト、

あれやこれや、いろいろあった模様。

 

アメリカで留学していた際も

アラブの留学生男子の浮いた噂をたまに聞いた。

 

他方、女性は非常に慎み深いし、

男女の交際は厳しく監視されている、

と『イスラム教徒の頭の中』。

 

確かに、世界青年の船にも私のアメリカの留学先の学校にも

湾岸諸国女子はいなかった。

 

ただし、同じイスラム教徒でも

船プログラムには

バングラデュ人やエジプト人の女子参加者がいたし、

留学先の学校には、とっても綺麗なパキスタン女子はじめ

イスラム圏からの留学生女子がいた。

 

国によって戒律の厳しさが違うから

イスラム教徒と一概にひとくくりできない。

 

一般的に中東の湾岸諸国は戒律が厳しい印象だけれど、

イスラム教徒は性に対して

外では慎み深く、内ではおおらかに、らしい。

外で抑圧されている分、

外国に行くまでもなく家では弾ける、ってことか。

とっても納得できる。

人間、バランス取れてないとね。

 

そしてイスラム教徒男子、

イスラム教徒以外の女子を性的対象にするのはやめてね!

イスラム圏で駐在経験あるけれど、

どの国でも外国人女子へのセクハラ犯罪が多くて困る!

イスラム教徒女子に手を出せない反動で、

イスラム教徒の外国人にセクハラするなんて!

 

それにしてもこの本、

男女関係、色恋沙汰、結婚生活の話がかなり多い、笑。

まぁ、人類普遍の関心ごとということか。

 

元は1990年に書かれた当書だけれど、

その後、世界は、イスラム圏は

イスラム過激派アルカイーダによるアメリカの同時多発テロ

アラブの春イスラム国の台頭などなど、

大きな歴史の出来事を次々と経験している。

イスラム教徒の頭の中は

この数十年で変わってきているのかな?

きっとそうなんだと思う。

 

信者人口が世界一となるイスラム教とイスラム教徒を

無視することはますます難しくなってくる世界。

だからこのような本で多少なりとも

イスラム教徒の頭の中を知っておくことは損にはならないし、

私は仕事柄、最新イスラム動向を追っていかなければ。