海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

クイズで学ぶ誘拐対応の基礎

海外では

紛争やテロ、デモ、強盗、地震津波エボラ出血熱などなど

多くの国で様々な事件、犯罪、事故、自然災害、感染症

発生している。

 

日本も今や危険な国だ!と思うかもしれないけれど、

他国と比べたら、まだまだ安全。

外を歩いていて緊張するなんてこと、

日本ではほとんどないし。

 

実は私も、いろいろ怖い目見た。。。

 

南米の国では、

金のネックレスを引きちぎられて盗まれたり

(そんなネックレスをしていた私の落ち度。。。)

 

東南アジアでは

詐欺賭博で結構な額のお金を取られたり

(こちらも私の言い訳できない落ち度。。。💦)

 

アフガニスタンでは

道の向かいの建物にロケット弾が着弾したり

(これは不可抗力💦)

 

でも日本では、

スマホ使いながら歩いていても、

いきなりスマホを奪われたりしない。

 

レストランで椅子にバッグを置いたまま席を立っても

ほとんど、盗まれない。

 

ほんと、日本っていい国だ。

ほとんどいつも弛緩していられる。

 

海外で気を付けなければいけない犯罪の一つに誘拐がある。

特にテロやマフィアが横行している国、

貧しい国などで注意が必要だ。

 

誘拐されると、

駐在員であれば、派遣元の企業や団体に

莫大な身代金が要求される。

駐在員を送る企業・団体としては誘拐対策も

大きな治安管理の一つとなる。

 

職場で購読している雑誌に

興味深いクイズが載っていたので紹介したい。

その名も

『クイズで学ぶ、海外駐在幹部がが知っておくべき

誘拐対応の基本』(メキシコ編)

 

状況はこんな感じ。

月曜日から行方が分からなくなっていた

メキシコ現地法人の村田社長に関し、

火曜日の午後午前中に匿名の男から事務所宛に、

村田社長を誘拐したとの電話があった。

男は200万ドルの身代金を要求し、

警察に通報すれば村田社長を殺すと脅し、

また電話すると言って切れた。

 

クイズ1

事件を警察に通報しますか?

① する

②  村田社長の命が最優先なので、しない

 

クイズ2

200万ドルの身代金の要求に対し、犯人にどう言いますか?

① 身代金を支払う用意はあるが、

200万ドルという大金はとても支払えないと言う。

② 200万ドルは準備出来次第支払うので、

必ず村田社長を無事解放して欲しいと言う。

③ 会社として身代金の要求には応じられないと言う。

 

クイズ3

事前に契約していた誘拐事件対応コンサルティング会社に連絡し、サポートを得ることになりました。

通常、コンサルタントにお願いできないことはどれでしょう?

① 誘拐犯と電話で交渉してもらう

② メディア対応に関するアドバイスをもらう

③ 家族対応に関するアドバイスをもらう

 

クイズ4

日本にいる村田社長の妻と子供に、

誘拐事件が発生したことを連絡することになりました。

次のうち家族対応として間違っていると

考えられることはどれでしょう?

① 会社として村田社長が無事に戻ってくることを

最優先として、全力で対応すると伝える。

② 事件が報道されるとメディアが取材に来る可能性があるため、ご希望があれば、ホテルや会社の保養施設などにうつって頂くことも可能であると伝える。

③ 村田社長は当社の社員であり

誘拐犯は会社に身代金を要求しているため、

事件対応に関しては、

全て会社の権限に基づいて決定することを伝える。

 

自信満々で答えられたかな?

 

答えは。。。

 

①、①、①、③

 

身代金の支払い拒否は、

人質の命の危険を非常に高める!ので、

払う意思を伝え、時間をかけて値切るのが良いらしい。

値切るところが肝心だ。

 

そして、誘拐事件対応コンサルなる職業があるのも

世相のニーズからなのは皮肉と思う。

 

コンサルはアドバイスを行っても

直接犯人との交渉は行わないらしい。

三者が交渉に関与して身代金が支払われた場合、

国によっては誘拐ほう助罪になる可能性もあるのだそうだ。

 

知らないと、

良かれと思って対応しても

地雷を踏んで、誘拐された人が殺されかねない!

 

こんな知識が必要ない世の中であることを望むけれど、

なるほど!と思うクイズでした。