海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

断食月ラマダンってこんな感じです

parwana.hatenablog.com以前書いたラマダン関連の記事も見てね♪

 

ラマダンはイスラム暦の9番目の月に当たり、

イスラム教では最も神聖な月。

 

イスラム暦太陰暦なので、

現在日本でも使われている太陽暦グレゴリオ暦上、

毎年10日程度ずつ前にずれていく。

 

今年は4月2日頃に始まって、約1か月続く。

「頃」というのは、

これまた国によって開始日の宣言が違うから。

その国の宗教指導者が

新月後のうすーい三日月を確認してラマダン入りを宣言する。

 

だから、ほとんどの国で同日に開始になるものの、

国によって異なる場合もあるのだ。

 

イスラム圏に駐在経験のある私だけれども、

ラマダンについては

断食をする月とぐらいしか知らないので、

今回ちょっと調べてみた。

 

ラマダンって

アラビア語の灼熱という意味のアラマッドという単語が

起源らしい。

 

天使ガブリエルが預言者ムハンマドの前に現れて

イスラム教の聖典となるコーランの教えを授けた。

力の夜と呼ばれるこの啓示がラマダン月にあったので、

コーランの啓示を祝うため

このラマダン月に断食を行うのだそうだ。

 

天使ガブリエルってキリスト教の聖書にも出てくる。

キリスト教の神様とイスラム教の神様は同じ唯一絶対神だから

キリスト教の聖者もコーランに登場する。

イエス・キリストはイサとして、

聖母マリアはミリアムとして。

 

けれど、大天使ガブリエルもコーランに関係しているとは知らなかった。

 

ラマダン中は

日の出から日没まで断食しなければならない、

水どころかつばも飲み込んじゃダメということは

結構知られているのではないかと思うけれど、

 

日没時にはマグリブと呼ばれる礼拝でお祈りをする。

 

そしてお祈り後の断食明けの食事は

イフタールと呼ばれる。

 

ちなみに、イフタールを英語ではbreakfast、

fast「断食」をbreak「断つ」と訳している。

breakfastというと「朝食」と訳すけれど、

実は、睡眠という名の断食を断った後の食事ということで、

朝食も断食後の食事なのだ。

 

さて、イスラム教徒は、日没の時間をちゃんと調べて、

今か今かと食事の時間を待ち構える。

 

街はレストランに向かう車で大渋滞、笑。

 

ムスリムの同僚は、

「みんな、ラマダン中の日中は待てるけど、

日没前の残り5分は待てない!」

と、笑って言っていた。

 

食事にありつけると思う人々は

殺気立ちながらわれ先にレストランに急ぎ、

ラマダン中の日没前は

交通事故が増加する、苦笑。

 

レストランも人気のレストランは

連日予約でいっぱい。

ふと思い立ってイフタールを素敵なレストランで、

なんて悠長なことは

人気レストランではできない。

 

イフタールでは

まずお水を飲んでデーツを食べる。

干し柿のような甘ったるいドライフルーツだけれど、

消化しやすく栄養満点。

断食明けのすきっ腹にもってこい。

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デーツ
オタフクソースHPより

 

元々は

預言者ムハンマドが断食明けに

水を飲んでデーツを食べたという言い伝えから

断食明けにはデーツを食べることが習わしとなっているそうだ。

 

ちなみに、お好み焼きのおともに有名な

オタフクソースの原材料にも使われているのは

知る人ぞ知るデーツ情報、笑。

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オタフクソース・デーツ部PR担当デーツくん
オタフクソースHPより

 

そんなオタフクソースの会社が

デーツそのものの販売もしていたとは!

デーツを試してみたい人には

手っ取り早い購入元かも。

www.otafuku.co.jp

 

おっと、話を戻すと、

本来ラマダンは、

断食やお祈りで身を清め、信仰心を深める

聖なる月なのだけれど、

 

三者の私の眼には、

キリスト教のクリスマスがお祭り化しちゃっているのに

似ているようにも見える。

 

断食明けは、

昼の空腹をお釣りがくるぐらい埋め合わせる。

しかもご馳走で。

だから、ラマダン後に太る人続出らしい!

 

ショッピング・モールも大賑わい。

ラマダン中の夜は終わらず、

明け方床に就く。

 

職場では、ラマダン勤務時間が適用される。

業務時間は短縮され、朝早く始業し、午後に終業。

時間が経過するにつれ、皆お腹がすくし、イラつくし。。。

ラマダン中の業務は滞りがち、苦笑。

 

そんなイメージ。

 

もちろん敬虔なイスラム教徒もたくさんいて、

それらの方々はラマダン本来の意味を

忠実に実践している。