海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

震度7ってどれくらい?

2011年3月11日の東日本大震災が発生した時、

その前年の1月12日にハイチで発生した

マグニチュード7.0の地震

被災者への緊急人道支援でハイチ駐在中だった。*1

ハイチ地震直後の様子

 

朝、職場に到着すると、

「日本にすごい地震があったようだね!」

と現地職員が次々に声をかけてきた。

 

ニュースを見ていなかったので、

早速ネットでチェックすると。。。

 

マグニチュード9、震度7という地震の大きさにも

目を見張ったけれど、

津波の威力に恐れおののいた。

国際ニュースで何度も流れる津波の映像。

そして原発事故の危険性の説明。

 

ハイチの人たち、

地震のことを「グドゥグドゥ」という。

地面がグドゥグドゥ動くから。

 

ほんの一年前にグドゥグドゥで甚大な被害を被り

怖い思いをしたハイチ人たちは、

私が日本人と知ると、

日本のために心から祈っていると言ってくれた。

 

東日本の巨大地震を体験しなかった私は、

帰国時に、友人やら両親からどれだけ揺れたか、

どれだけ怖かったかを聞かされた。

 

ハイチで余震は経験していたけれど、

さすがに震度7の揺れではなく、

その大きさを実感できなかった。

 

が、ついに先日、その揺れを体験することができた。

本所防災館で。

tokyo-bskan.jp

 

コロナ禍でしばらく休館していた防災館が、

待ちに待った再開となったので、

早速、防災体験ツアーに申し込んだ。

 

子供連れの家族も参加しているツアー、

地震が発生した時、周りに身を守るものがない時は

ダンゴムシのように丸くなり頭は腕で守るんだ、と

子供たちが教えてくれた。

子供たち、ちゃんと訓練されてる!

 

そして、地震体験機にのり、

実際に震度7を体験してみると。。。

 

ダンゴムシ作戦でも

体が飛び跳ねてしまう、右に左に大きく動いてしまう!

周りの人たちも体を全然固定できない。

マジ恐怖!

 

これが本当の地震で、何分も続いたら

怖くって、パニックになっちゃうのも仕方ない!

 

体験ツアーでは、ほんの数十秒の大揺れだったけれど、

実際は周りに落ちてくるものもいろいろあるだろうし、

自分の身をどう守るかなんて

頭はどれくらい冷静に働くだろうか。。。

 

だからこそ日ごろの知識と訓練で

条件反射的に動けるようにしておくのが理想なんだと

痛感する。

 

岩手県釜石市の小・中学校学校では

繰り返し津波避難訓練を行っていたので、

東日本大震災の際も、

約3000名の小中学生が即座に高台に避難し、

生存率は99.8%という素晴らしい訓練の結果を示した。

「釜石の奇跡」と呼ばれているらしい。

 

日ごろの訓練で中学生は、

自分より弱い立場の小学生や高齢者を連れて逃げることを

教わっていて、

東日本大震災の際に、

実際に高齢者を誘導したり、小学生の手を取って

一緒に避難したのだそうだ。

なんと素晴らしい訓練の賜物!

 

日ごろの災害への備えと訓練の大切さを再認識した。

だって、災害って

「忘れたころにやってくる」んだもんね。。。

 

ツアーでは地震体験のほかに、

火事の際の消化器の使い方や、

洪水などの水害の際、

想像以上に水圧は大きいので

浸水した部屋のドアや車のドアが

開かなくなることを体験した。

 

経験すると災害対策への心構えが変わる

防災体験ツアー、お勧めです。

*1:2010年1月12日16:53(現地時間)に発生したマグニチュード7.0の地震は死者22万人以上、負傷者31万人以上、人口の1/3以上の370万名以上が被災したと言われる。この甚大な被害は、西半球の最貧国とも言われるハイチの政情不安定さと貧困、社会基盤の脆弱さが原因となった。私が属していた団体は、震災直後から現地入りし、避難所でのテントの配布、家屋が倒壊した人たちのための瓦礫除去セットの配布、倒壊・損壊した学校の仮設教室、教材、文房具の配布、教員への社会心理支援の実施等の事業を行った。