海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

公邸料理人

海外には全くもって興味のない友人と

ご飯を食べていた時の会話。

 

彼曰く、

「昔、どこかの大使館で雇ってるシェフの特集を

テレビでやってたよ。

なかなか新鮮な魚が手に入らないから、

自分で海岸に行って

地引網で魚を取っている漁師から

直接取れたて魚を買うんだって。

 

それから、公式な催しのために

食材を買い付けに行く時は公用車で出るけれど、

大使の食事のための買い出しには

公用車は使えないんだって。」

 

えー、

大使館でシェフ雇ってる??

大使館員の食事のためにシェフですか??

国民の血税をそんなことに使ったら大炎上でしょ。

あり得ないでしょ。

 

大使の食事作るために

公用車はあり得ないでしょ。

 

というのが一番に頭に浮かんだ反応。

 

確かに、アフガニスタン駐在時に

大使館で選りすぐりのお抱えシェフがいた。

田舎から首都カブールに上京する度

大使館に連絡すると、

「たまの状況で体にも目にも栄養のある物を食べなさい。」と、

大使館でご馳走してもらった。

 

何せ私が駐在していたのは

アフガニスタンの僻地中の僻地、

中世にタイムスリップしたような

バダクシャン州ファイザバードで、

しかも唯一の日本人。

 

大使館のご厚意がありがたかった。

 

日本食がないと生きられない体質ではないけれど、

順応性がある方ではあるけれど、

さすがに、朝昼晩三食昼寝付きならぬ

ケバブ付きでは、

お腹がすいていても

ケバブのにおいをかぐと

食欲がなくなる程になってしまっていた。

 

治安が悪く自由に外にも出られず、

レストランにも食材を買いに行くのも不便な

アフガニスタンのような国では

例外的にシェフを雇っているのだと思っていた。

 

が!

なんと、公邸料理人なる立派な仕事があるとは、

恥ずかしながら、知りませんでした、汗。

 

公邸料理人、

ミッションはその国の人々の胃袋をつかみ

日本の外交を支えること。

 

これ、本当に大切な使命!

食は味覚、嗅覚、視覚を楽しませてくれるだけでなく、

文化でもあり、技術でもあり、

コミュニケーションにもなる。

 

美味しいものを食べると、

話題も広がる、話も弾む。

 

ああ、

私もお料理上手だったら、公邸料理人になりたい。

料理で世界平和に貢献する。

来世のTo do リストに加えておこう。

 

こんなことを書きつらねていたら、

我が城、シェアハウスの台所から

ミャンマー料理のすっぱ辛い強い匂いが漂ってきた。

 

ウチのミャンマーちゃん、

今日も腕を振るっている。

味見させてもらいに行こーっと。