海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

アンチ『風に立つライオン』?!

さだまさしさんの『風に立つライオン

現場での活動の心の拠り所となっていた。

でも、実は

ちょっと美化してるなー、なんて思う個所がある。

 

♬ 診療所に来る人々は病気だけれど、

  心は僕より健康なのですよ~    ♬

 

厳しい過酷な自然環境の中で、

不衛生な状態の中で、

貧しく、食べ物も十分手に入らないような状況で、

 

隣国との戦争、国内の部族間闘争や権力闘争の争いの中で、

テロの恐怖の中で、

身を守るのに精一杯の時、

人は健全な、健康な心を保っていけるのだろうか。

 

実際に、現場で嫌な思いをしたこともある。

 

お金を盗まれたり、騙されたり、

事務所の向かいの建物にロケット弾が飛んできたり。

 

事業実施の調整の中で、

「言うこと聞かなきゃ、お前の団体のスタッフの安全は保障しないぞ!」なんて現地関係者に脅されたこともあった。

 

難民キャンプにも

すごくわがままな、自己中心的な、理不尽な人もいたりして。

キャンプ内の部族や民族の違いから、

軋轢や断絶が生じたりして。

 

アフガニスタンではアフガン人同僚が言っていた。

「先の計画なんて立てられない。

だって、いつ爆弾が飛んできて死ぬか分からないし。

だから今得られるものを、今得たい。」

 

ケニヤに位置するソマリア難民キャンプ勤務時には、

友人たちと

なぜケニヤ人は平気で人を裏切れるのかと

話したことがあった。

「生活の糧を得ることが先決で

信頼を失ったとしても、きっと気にしないんだよね。。。

他に失うものないし。将来の希望も持ちにくいだろうし。

彼らにとって信頼の優先度は、きっと高くないんだよね。。。」

 

でも、まぁ、これって

程度の差はあれど、世界中どこにいても同じだよなぁ。

 

日本でだって、自分の利益を得るために

平気で人を出し抜く人もいる。理解不能な人もいる。

(理解不能な人は私のことを

理解不能と思っているかもしれないし、笑)

 

日本には日本の心の健康を害するような課題があるし、

ケニヤや他の国々にはその国特有の課題がある。

 

それで、結局、

人間ってどこにいても同じなんだって、

本人次第なんだって、

そう思うようになった。

 

自然災害や戦争被災者も、難民も、

自国で普通の生活を送っている人々も、

日本人も、人道支援従事者も

いい人もいれば、悪い人もいる。

親切な人もいれば、いじわるな人もいる。

健全な人もいれば、心を病む人もいる。

 

結局、どう生きるかって

世界共通、本人次第。

 

敬愛するマザー・テレサの神の愛の宣教者会には

『Anyway・逆説の十か条』が掲げられている。

 

風に立つライオン』同様、

『Anyway』にもどれだけ支えられたことか。

 

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人は不合理、非論理、利己的です

それでもなお、人を愛しなさい

 

あなたが善を行うと、

利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう

それでもなお、善を行いなさい

 

目的を達しようとするとき、

不実な友だちと本物の敵に出会うでしょう

それでもなお、やり遂げなさい

 

善い行いをしても、

おそらく次の日には忘れられるでしょう

それでもなお、し続けなさい

 

あなたの正直さと誠実さとが、

あなたへの攻撃を招くでしょう

それでもなお、正直で誠実であり続けなさい

 

何年もかけて作り上げたものが、

一晩で壊されるでしょう

それでもなお、作り続けなさい

 

本当に助けを必要とする人たちも、

助けたあなたに恩知らずの仕打ちをするでしょう

それでもなお、助け続けなさい

 

あなたの中の最良のものを、この世界に与えなさい

たとえそれが十分でなくても

それでもなお、最良のものをこの世界に与え続けなさい

 

最後に振り返ると、あなたにもわかるはず

結局は、全てあなたと内なる神との間のことなのです

あなたと他の人の間のことであったことは

一度もなかったのです

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