海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

スリランカでもつま先をやられるー続き

友人であるスリランカ人のお坊さんのダンさんに招待され、

ダンさんのお寺の式典に参加した。

 

住職であるダンさん、

私の前ではユーモアたっぷり、茶目っ気たっぷりだけれど、

大勢の檀家さんの前では、

やはり威厳がある。

 

長々とお経を唱え、お説教を話し。

 

シンハラ語で話しているので、私にはチンプンカンプンだったけれど、

お経の間は神妙に目を閉じ、手を合わせていた。

 

あれ、何だかつま先が変な感じ。。。

 

目を開けてつま先を見てみたかったけれど、

ビパッサナ瞑想(*)をやっていた私、

体の感覚を、感じるままにそこにあることを認識するも、

反応してはいけない。

反応しない、反応しないと、自分に言い聞かせていた。

 

だんだん変な感じが、むずむずと痛痒いような

強い不快感に変わっていった。

反応しない。反応しない。

 

えー、でも、おかしい!

 

遂に、我慢できなくなり、反応してしまった。

目を開けてつま先をみると。。。

 

つま先が血みどろ!!

 

なんでー!?

 

ふと、黒く動くものが視界の端に入り、目をやった。

 

なんと丸々と太った黒い虫がゆっくりゆっくり動いている。

私から遠ざかっていく。

 

あれ? あれってもしかしてヒル?!

あんなに丸々太ってるのって、

反応しない、反応しない、と思っているあいだ中、

ちゅうちゅうと私のつま先を吸血してたから?!

だから私のつま先は血みどろなの?!

 

ヒルに咬まれたら血が止まらないって、こういうことか。

本当に止まらない。

 

式典の後、ダンさんにつま先を見せると、

ダンさん、反応せずに(さすが、お坊様!)、

「すごく血が出てますね、病院に行きましょう。」と

地元の伝統医療のクリニックに連れて行ってくれた。

 

血が止まるまでに本当に時間がかかり、

やっと止まったと思ったら腫れた。

そして、痛痒いのなんのって。

数週間経って腫れは引いたけど、

何だか色がどす黒くなっている。

その間、ずっと痛痒い。

 

クリニックでもらった軟膏を塗ってはいたけれど、

こんな症状が続くなんて、絶対効いてない!

 

結局、足の指の痛痒さがなくなり、

色が普通の肌色に戻るまでに、

2,3か月もかかった。

ヒル、恐るべし!

 

そして、お寺で大切な教訓を得た。

痛さ、不快感は自己防衛本能。反応すべし!

 

 (*)  ビパッサナとは「物事をあるがままに見る」という意味で、ピパッサナ瞑想は「今という瞬間に意識を集中」し、「今ここの自分に気づいていく」瞑想法。