海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

シュタイエ前パレスチナ首相による講演「パレスチナの今」

 

知人が声を掛けてくれて、

日本記者クラブでのパレスチナ自治政府ムハンマド・シュタイエ前首相の講演会に参加した。

 

日本記者クラブへ足を運ぶのもほとんど初めて、

そんな要人の講演会に参加するのもほとんど初めて!

講演会の表題自体が『中東情勢要人講演会』で恐縮する。

普段、要人には全く縁がないから。。。💦

 

縁もないし、

政府の人の話って

プロパガンダで机上の空論的なイメージ。。。💦

 

でも今回の講演は分かりやすく、

また、考えさせられた。

 

アラブ地域の非アラブ国、トルコ、イラン、

とりわけイスラエルのアラブ地域、パレスチナに対する

外交政策の概要が整理され説明された。

宗教、民族などによる勢力保持・拡大の思惑。

 

イスラエルガザ地区に対する行為は

完全なる国際法違反であり戦犯であると

元首相は訴えた。

 

イスラエルの攻撃は

ガザの人々を餓死させ、

ガザ市民ののガザからの強制退去を狙っている、と。

 

そして、イスラエルハマス戦争が停戦になった場合の

次なる大きなハードル。

 

現在イスラエルハマスの停戦交渉が進行中で、

今までになく合意に近いとイスラエル国防相が述べている旨

ニュースで見た。

 

今回の講演でも

元首相は数日のうちに停戦合意となるだろうと述べていた。

嬉しいことだけれど、

本当にそうなることを、そして合意が守られることを

心から祈っている。

 

停戦となり停戦が守られれば、

被災したガザの人々のための緊急人道支援が展開され

ガザ復興が着手されることになるけれど、

国連は200億、世界銀行は600-800億米ドルを

要すると試算している。

日本円にして3ー12兆円!!

庶民には大金ということ以外

その金額のイメージがつかない!

 

そんなお金どこにあるんだろう。

 

他の紛争国の緊急人道支援の現場でも、

支援や復興に必要とされる金額が

潤沢に集まることはない。

 

ガザの復興も必要額との間に大きな差額があり、

いつ「復興」したと言える時が来るのか

誰が「復興」の主体となり、リードしていくのか。

パレスチナ自治政府。。。?!

立場上、そうなのかもしれないけれど。。。

パレスチナ暫定政府だって腐敗の噂が付きまとい、

全然市民に支持されていない。

そんな気力、能力、統率力があるとは思えない。

 

戦後の明るい未来が

残念ながら、全く想像できない。

 

破壊されつくしたガザの復興、

もちろんガザの一般市民は

ガザでの元どおりの生活を切望しているだろうけれど、

人びとの心も破壊されている状況で、

どれくらい実現可能なのだろう。。。

 

停戦したとしても両手放しで喜べない

大きな大きなハードルが立ちはだかっている。。。