海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

イエス・キリスト生誕地ベツレヘムのクリスマス


2015年から2019年まで

ユダヤ教キリスト教イスラム教の聖地エルサレムに駐在していた。

 

今、イスラエルハマス撲滅という目標の元、

信じられない規模で

ガザ地区の一般市民を襲っているけれど、

 

今までにも、

数年ごとに攻撃を仕掛けていた。

 

2014年に

その数年の中でもっとも大規模な空爆があり、

2015年からその被災者支援事業を実施していた。

 

ちなみに、今回は既にその10倍以上の2万人以上が

殺害されている。2/3は子供と女性!

悲しいことに、攻撃の勢いがおさまる兆しがない。。。

 

愛と平和を推進するはずの宗教の聖なる地に

争いが絶えないというパラドックス。。。

 

そういえば駐在中、

クリスマスの時期に海外出張からエルサレムに帰る道中、

イスラエルベングリオン空港からのタクシーの運ちゃんに

「クリスマスだから

聖地巡礼の観光客で混雑しているでしょ?」

つい口が滑った。

 

そしたら、

キリスト教イスラエルの宗教でないから関係ない!」と

怒られてしまったよ、苦笑。

 

すみませんでしたね。

でも、だからってそんなイヤそうな

つっけんどんないい方しなくていいじゃない!

 

ちなみにイスラエルでは大多数がユダヤ教徒です。

 

キリスト教にスポットを当てると、

エルサレムには

キリストが磔にされ復活したと信じられる場所に

聖墳墓教会が建っている。

 

そして、エルサレムの近隣に位置するベツレヘムには、

イエス・キリストが生まれたと信じられている場所に

聖誕教会がそびえている。

 

私も一度はキリスト教本場のクリスマスを味わいたーい!

 

ということでパレスチナ人のクリスチャンの同僚に、

聖誕教会のクリスマス深夜ミサに参加したいと言った。

 

パレスチナというとイスラム教というイメージだけど、

実は人口の7%はキリスト教徒。

少数派のご多分に漏れず、

ちょっと片身狭いような印象だけれど。

 

パレスチナ事業を実施していた実働部隊の提携団体も

キリスト教系団体だったので、

ほとんどの同僚がキリスト教徒だった。

 

で、ベツレヘムは聖誕教会のクリスマスの深夜のごミサ、

やはり激混みだそうで、

チケットがないと入れないのだそう。

チケット制なのか!

 

チケット手配は至難の業なのだそうだけれど、

同僚がネットワークを駆使し、チケットを手に入れてくれた。

やったー!!!

 

クリスマス・イブのベツレヘム

昼から鼓笛隊のパレードなどもあり大賑わい。

同僚と同僚の子供ちゃんと、

パレード見学やベツレヘム・プチ観光を楽しんだ。

 

そして、深夜の聖誕教会

 

ほんと、すごい人やー!

教会内の床にも人がひしめき合って座っている。

私も床に座る組。

寄っかかれるように柱のそばに何とか場所を確保した。

しかし、柱が邪魔で正面が見えない、苦笑。

人、人、人の聖誕教会

 

こんなに早く行っても床に座る組なら、

席に座っている人は一体どれだけ早くから

待っていたのだろう。

 

パレスチナ自治政府アッバス議長は、

イスラム教徒ではあるけれど、

毎年この深夜ミサに登場するそうで、

 

床に座る組の私も

遠目にアッバス議長を目にした時は、

ちょっと興奮した!

 

これがザ・キリスト教本場クリスマス・ミサなのかぁ!

 

ちょっと人が多すぎるし、夜中で眠いし、

インターネットでライブ配信しているようだから、

次回からは家で快適な環境で参加しようっと。

などと不謹慎なことを思いながら、

 

でも、キリスト生誕の場所で生誕を祝う儀式に

参加していること自体に感動しながら、

感慨深く参加した。

 

この地でイエス・キリストが生まれたんだなー、しみじみ。

でも、なんで争いが絶えないんだろう。

キリスト教内の宗派間にも見えない壁があったり、

パレスチナ自治政府とガザのハマスが対立してるし。。。

対立したり争ったりすることって

人間の本能なのかな。。。

なんてぐるぐる思いが巡っていた。

 

今年のベツレヘムは。。。

クリスマスの華やかな飾りつけもなく、

観光客や巡礼者はほとんど見られず

閑散としている。

クリスマス・イベントはほとんど中止となっているそうだ。

 

そして、

聖誕教会には瓦礫と有刺鉄線に囲まれた

イエス・キリストの誕生場面のディスプレイが登場したそうだ。

 

痛々しい。。。

 

来年はまた

巡礼者がパレスチナに戻ってこれますように!

にぎやかな聖なる日を

イエス・キリスト生誕地で

皆が祝うことができますように!