海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

クルドの猫のはなし

中東はイラククルド人自治区

英語ではKRI(Kurdistan Region of Iraq)

シリア難民の支援と、

イスラム国から逃れた国内避難民 (IDPs: Internally displaced persons)の支援で

ここにも数年駐在した。

 

イスラム教では、犬は豚と同様不浄な動物として

忌み嫌われているけれど、

猫は受け入れられている。

だから野良犬は見ないけれど、野良猫は見る。

 

住んでいたアパートの敷地内にも

猫がたくさんいた。

 

アパートの敷地の猫密度の高さには訳があり、

何でも、以前住んでいた外国人が国に帰る時に、

飼っていた猫をお掃除のおじさんに託し、

ちゃんと世話をしてあげてね、と餌代も置いて行ったのだそうだ。

 

それから何年たったか知らないけれど、

猫は順調に繁殖を繰り返し、

十数匹となっていた。

 

同じアパートに住む同僚アーは猫好き。

敷地内を気ままに動き回る猫たちに名前をつけ、

戯れたり、餌をあげたりしていたけれど、

遂に、その中の一匹リンを自分の子供にした。

 

それから彼女の生活は猫中心となった。

 

援助団体は国連でもNGOでも、

通常、現場に行く際は、団体ロゴの入ったシャツや帽子をかぶる。

ビジビリティと呼んでいるのだけれど、

平たく言えば、宣伝。

ウチの団体、現場で仕事してます、と、視覚的に主張する。

 

ある日、同僚アーと難民キャンプを訪れた。

私は白地のロゴシャツ、彼女は紺のロゴシャツ。

彼女のシャツにリンの毛がびっしりついていて、笑った。

 

そんなリンに弟分ができた。

その名はモンちゃん。

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リン(右)とモンちゃん(左)

 

交通事故に遭って亡くなってしまった母猫の傍で

心細そうに泣いていた

生まれたばかりの子猫。

 

近所の女の子が拾ってきて、

平和構築事業を運営している友人なほちゃんのところに連れて行った。

 

これまた猫好きのなほちゃん。

子猫がかわいすぎて手放せず、

モンちゃんと名前を付けて飼い始めた。

 

え、私?

私も動物好きですよ。遠くから見るに限る、と但し書きが付くけれど、笑。

私のアパートにもTJって名前の犬がいるし。ぬいぐるみだけれど、笑。

 

そんな私にも、アーやなほちゃんが不在となる時は、

餌やりやトイレ掃除、猫の遊び相手の役割が回ってきた。

 

最初は、あーあ。。。

と思いつつ、義務感感じて世話をしていたけれど、

こんな、遠くからという条件付き動物好きの私にも

だんだん愛情が芽生えてきた!

何だか猫ってかわいいにゃん。

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ボールを投げたり、紐を振り回したりして遊んでると、

我を忘れて、没頭している自分に気づく。

なんて癒される時間!

 

知らなかった自分の猫愛にクルドで気づくとは

思いもしなかった💛