海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

エジプト到着

少し前に エジプト訪問について触れた。

parwana.hatenablog.com

 

なぜエジプトに行ったのかって?

 

それは。。。

 

パレスチナガザ地区への緊急人道支援物資手配の調整が

目的だった。

 

イスラエルハマス戦争、

信じられないけれど、半年以上が経過し

まだまだ先行き不透明。

ガザの人たちは想像を絶する苦難に直面している。

 

現在までで、

 死者 3万4000人以上、2/3は女性と子供

 負傷者 7万人以上

 避難者 170万人以上、

なんとガザの75%の人々が避難生活を送っている。

 

今のガザに安全な場所はない!

今も死傷者数が毎日増えている。

 

空爆、飢え、

燃料のない中、電気のない中、

冬の間は寒さとの戦いもあった。

恐怖、絶望感。。。

 

そんなガザへの緊急物資手配調整業務、

声がかかって

2つ返事で引き受けた。

 

非人道的なイスラエルの攻撃が腹立たしかったし、

胸を痛めていたし。

 

パレスチナには駐在歴があり、

ガザには毎月足を運んでいた。

ガザに元同僚もいるから他人事ではない。

安否が気になって仕方ない。

少しでもお役に立ちたい!

 

さて、エジプト。

訪問歴は、

飛行機の乗り継ぎで半日カイロに降り立ったのみで、

滞在するのは初めて。

 

私の中で、 エジプトと言うと

王家の紋章*1やら世界ふしぎ発見!

古代エジプトのファラオ、ピラミッド

そんなイメージがつきまとう。

 

実際、エジプト到着間際の飛行機の窓から

ピラミッドを見つけた時は大興奮!

ピラミッドは飛行機からも見えるんです!

 

そんなイメージのエジプトだけど、

 一旦降り立ってしまうと

古代エジプトの栄光もファラオも幻想だった、苦笑

 

町は大渋滞で雑然としていて、

でも活気があって。

普通にある開発途上国の大都市だ。

 

幸か不幸か断断食月ラマダン中で

日中の道路の渋滞状況はましなのかと思いきや

そうでもないらしい。

いつも通りの渋滞だって 、苦笑

ほんとに全然車動かないよ!

 

ラマダン中だけど

午後の早い時間だったので

空港からホテルに向かうタクシー運転手さんも

まだ機嫌よくおしゃべりしてくれる。

 

ラマダンはいいよー。

体も気持ちもリフレッシュできる。」

「エジプトに来るのは初めて?」

「日本はいい国だ!」

などなど、英語で話しかけてくる。

 

これが、夕方の 日没 に近づいてくると、

断食の悲壮感が漂ってたり、苛ついてたり、苦笑

 

カイロ中心地は一方通行も結構あるらしく、

道も狭いし、タクシーはグルグルあちこち回って

運転手さん、だんだん機嫌悪くなってきた、汗

 

やっと予約したホテルらしき建物を見つけた。

念のため正しいホテルか確認するため、

タクシーを待たせて、受付に走った。

 

よかった、ここがホテルだ!

 

ホッとして、タクシーに戻ってみると。。。

おお、数人がタクシーを囲み怒鳴っている!

 

アラビア語は分からないけれど、

「ここに車止めんなよ! 早く行きやがれ!」

なんて言ってるんじゃないかな、汗

 

周りに車たくさん止まってるんだけどね。。。

 

アラビア語って語調がきいし、

皆さん結構な大声だから

怒ってなくても怒ってるように聞こえる。

 

今回のタクシーを取り囲んでた人達は、

本当にイラっとしてた気がするけど、苦笑

ラマダンで空腹のせいか。。。

 

運転手さんも黙ってない。

対抗して一生懸命何か叫んでる。

 

「ノープロブレム!」

私も周りの人たちに叫んで

運転手さんに立ち去ってもらった。

運転手さん、ごめんねー!

 

あー、到着した途端、エネルギー使ったなぁ。

久しぶりのガチ開発途上国って感じの出来事に

昔の勘が蘇る!

*1:

1976年から(!)月間プリンセスに連載され、まだ連載中(!)の少女漫画。単行本は現在69巻まである。アメリカ人ティーンエイジャーでエジプト考古学が大好きな主人公キャロルは、呪いがかかって古代エジプトにタイムスリップし、エジプト王メンフィスと愛し合うようになる。古代エジプトのお話だけれど、当時のメソポタミア、トルコ、東地中海、北アフリカなど近辺諸国との駆け引きや戦いにハラハラ・ドキドキ! そして、私が駐在していた場所がまさにこの舞台の一部なんて大興奮!