2019年11月、『イスラム2.0』(飯山陽著)が本屋さんに平積みされていた。
初めて目にする著者名だけれど、
10年以上イスラム圏駐在歴のある私は、
条件反射的に本屋さんで同書を手に取った。
。。。そして、積ん読して早半年余り、汗。
やっと完読し、そして考えさせられた。
表紙カバーの背表紙の折り込みに次の様にある。
ウェブにアップされた「コーラン」「ハディース」(*)によりイスラム化を進める「静かなるジハード(**) 」が進行し問題となっている 。突きつけられた現実に日本はどう対処すべきか。
「移住」と「多産」による「静かなるジハード」
確かに、そうかもしれない!
イスラム圏拡大のためアッラーのため武器を持って殉職するジハードではなく、
人数で凌駕し、他国をイスラム化していくジハード。
「ガザでは何も生産しないし、できないし。赤ちゃん以外は。」
なんて皮肉っぽく言っていたのが頭に浮かんだ。
ガザ地区への物と人の出入域に厳しい制限が課せられている。
それで、天井のない監獄とも言われる。
そんなガザ地区で唯一生産している、できるものは赤ん坊。
確かに、確実に着実にガザ地区の人口は増加している。
イスラエルがガザを攻撃した2014年、直後の緊急人道支援事業開始準備の書類に
ガザの人口は180万人と記してある。
2018年の離任時に実施中の事業の書類では、人口が200万人になっていた。
4年で20万人の人口増。
長さ50km、幅5-8kmのガザ地区は種子島程度の大きさだ。
種子島に毎年人口が5万人づつ増えていると思えば、
その子だくさんな様子が想像できるだろう。
ちなみに、ガザ地区は世界で一番過密な地域とされている。
男女が隔離されるイスラム社会では、結婚年齢は若い。
イスラム教では結婚が奨励され、
イスラム法では、男子12歳、女子9歳で結婚ができるのだそうだ!
ちょっと若すぎない?
早婚であれば、子供をもうける機会も増える。
それで、ガザ地区だけでなく、イスラム圏ではどこも人口がぐんぐん増加している。
2010年、イスラム教徒は16億人で世界の人口の23%だったのが、
2020年、19億人で25%、2030年、22憶人で26.4%、2050年には26億人で27.9%になると予想されている。
イスラエルがパレスチナをイスラエルに吸収・同化しないのも、ゆくゆくはイスラム教徒であるパレスチナ人が多数派となってしまい、ユダヤ国家として成り立たなくなるからと言われている。
「移住」し、その国で「多産」により人口の多数派に迫っていくジハード。
社会がイスラム化していく確実なジハードだ。
続く~
(*) コーラン: イスラム教の啓典。最後の最も偉大な預言者ムハンマドに下った啓示(神の言葉)の書。聖なる神の言葉アラビア語で書かれており、翻訳は禁止されている。
ハディース:ムハンマドの言行録。コーランを補足する第二の聖典とされる。
(**) ジハード: アラビア語で「努力」「奮闘」を意味する。コーランでは異教徒との戦いも意味することから「聖戦」とも訳される。ジハードはイスラム法に定められたイスラム教徒の義務。