海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

世界青年の船・青少年リーダーシップ・プログラム

前回、ナンパ船と呼ばれた世界青年の船の話をした。

parwana.hatenablog.com

 

世界青年の船は、れっきとした日本政府の青少年事業。

「船上という国境のない世界で、世界の青年と家族になる。

自分の限界にチャレンジする次世代リーダー育成プログラム」

なのです。

www.iyeo.or.jp

 

豪華客船『にっぽん丸』を動員しての大きな事業。

www.youtube.com

 

日本から120人、私の参加回は西回りクルーズで

南アジア、アフリカ、アラブ、ヨーロッパなど

主に訪問地域の国々10か国から120人、

240人が船上で共同生活を送る。

 

晴海ふ頭を出発した船はマラッカ海峡を通り、

最初の訪問国スリランカへ。

それから南アフリカタンザニアUAEに停留した後、

シンガポールに立ち寄って日本に戻ってきた。

全2か月の船旅。

 

プログラムのホームページを見ると、とっても楽しそう!

確かに、船という限られた、日常から隔離された空間での

2か月の事業はとってもユニークだった。

 

最初は、新しい非日常的な環境で新しい友達と

ワクワク楽しく過ごしていたけれど、

1週間も経つと、限られた空間で限られた人たちと

限られた活動に打ち込む非日常的な環境が

非現実的と感じ始め、

そして、飽きた、笑。

 

若者たちのワイワイ楽しい2か月の後、何が残るのか。

参加者個人の心のアルバムの、

美しく楽しい青春の一ページになるのか。

多額の税金を投入する政府の事業、

後々の個人レベルお友達付き合いでなく、

「日本の国益」への貢献じゃないのかな。

なのに参加者の後々の活躍や、

事後活動はパッとしない印象。

 

そんな批判的思考もあり、

世界船事業関係者とは距離を置きたかった。

 

。。。本当は、こんな風に思っている私が

旗振り役として事後活動を推進していくべきなんだけどね、

それはやらない文句だけのズルい私。

 

そして、利用するところは利用しているズルい私。

 

まさかケニヤに駐在するとは夢にも思わなかったけれど、

世界船事業参加の16年後、

ケニヤはソマリア国境付近ダダーブの

ソマリア難民キャンプで働くことになった。

 

船上でルームメイトだったケニヤ人との

16年ぶりの再会は感無量。

彼女とは世界船事業で

本当に友達と思えた数少ない参加者の1人。

ナイロビに上京する度、彼女に会った。

彼女の家にお泊りもした。

体調の悪い時に病院も紹介してもらった。

 

更には、私が当時所属していた団体の

対ケニヤ政府の書類上、保証人にもなってもらった。

友情に感謝!

 

私は私で彼女の就職活動の際に、推薦書を書いた。

一応ケニヤの事務所長をしていた私、

しかも日本人の推薦書の見栄えは良いらしい。

それで彼女は職を得たので、とても感謝してくれた。

助け合う友情に感謝!

 

こんな友情を得ることのできた世界船事業、

やっぱり意味があるのかな。

 

実は、ケニヤの友人だけでなく、

スリランカに駐在しては、スリランカ人参加者に会い、

イラクに駐在しては、たまたま同時期に

やはりイラクに駐在していたエジプト人参加者と、

20年以上ぶりの再会。

 

カタール人の仲良し君とは、

ドーハを経由する度に会っている。

ドバイ経由の際は、ドバイでも待ち合わせして

近況報告しあっている。

 

ああ、なんと事業の恩恵を受けていたことか!

事業主催者がではなく、私こそが、このネットワークを

「日本の国益」のために有効利用しなきゃいけなさそう!

 

人道支援業務とともに、

このブログで

ささやかながら世界の様子をお伝えして、

接点のない、余り意識に上らない国々に

ちょっとだけ関心を持ってもらうことで、

間接的に日本とそんな国々の関係性向上に貢献していきます!

 

追伸

最後の最後に、内閣府の事業HPの事業目的を確認した。

私、まさに目的に最適合致人材だ! 目的達成してるっぽい!

「国際化や多様化の進展する各分野でリーダーシップを発揮して社会貢献を行うことが出来る青年を育成することを目的としています。あわせて、国境を越えた強い人的ネットワークの構築を図ります。」

www8.cao.go.jp