海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

「グレート・グリーン・ウォール」を見てきた

すっかり応募したことを忘れていたのだけれど、笑

映画が当選!

 

10/11の国際ガールズ・デー関連イベントとして

国際NGOのプラン・インターナショナルが実施・上映した

「グレート・グリーン・ウォール」

www.youtube.com

 

アフリカの国、マリ出身のミュージシャン

インナ・モジャが、

サヘル地域*1の砂漠化を食い止め、再び緑をもたらすための

緑化計画の対象国を訪れながら

アフリカ大陸を横断し

音楽で啓蒙しようとする姿を追った映画が

「グレート・グリーン・ウォール」

 

2019年 サンパウロ国際映画祭 観客賞

2020年 カンヌコーポレーションメディア&TV大賞 金賞

2020年 レインダンス映画祭 最優秀撮影賞

 

2019年に最初に公開され、様々な賞を受賞している。

 

恥ずかしながら、

国際ガールズ・デーも

このアフリカのグレート・グリーン・ウォール(GGW)計画も知らなかった。

 

GGW計画は、

11か国にまたがるサヘル地域に

万里の長城(グレート・ウォール)のように

8,000Kmに渡る緑の壁を作り、

砂漠を昔のような緑豊かな土地にして、

人々の生活を立て直そうとする壮大な植林計画だ。

アフリカ大陸を横断する8,000KmのGGW計画

 

アフリカの国々が主導し

2007年にはじまったGGW計画だけれど、

2020年までに目標の15-18%程度のみに留まっている。

問題が山積するサヘル地域の国々で

象徴的な「アフリカン・ドリーム」である

植林計画はなかなか進まない。

 

インナ・モジャはサヘルの西の端セネガルから旅を開始した。

 

映像にアフリカの社会の様子、人々の様子が映し出される。

異国文化大好き、服飾大好き、

ダンス大好き、食べ物大好きな私。

ワクワクしながらアフリカを眺めた。

 

アフリカの人々の生活とともにある音楽。

情熱的な楽器の音色。

ダンス。

私もビートに乗って体が自然と動いちゃう。

 

けれど、同時に映し出されるサヘルの国々の深刻な社会問題。

砂漠化、干ばつ、紛争、テロ、貧困、

人口爆発、(不法)移民、人身売買。。。

 

深刻すぎる問題が

積み重なり絡みあって、

一体どう解決できるのか、悲観的になってしまう。。。

 

そして、これらの問題はアフリカだけの問題でなく、

世界中に、

もちろん日本にも

もろに影響を与える。

 

悲観的になってしまう。。。

 

ただ、コップ半分の水を

半分しかないと見るか、半分はあると見るか。

 

達成度15%の成功例としてエチオピアでは緑化が進んでいた。

ビフォー&アフターを比べると

茶色かった大地一面が緑で覆われている。

 

皆で歌いながら踊りながら植林している。

地域住民を導くリーダーの手腕が素晴らしい。

 

・・・緑が根付いたエチオピアのティグライは、

この映画の撮影後に国内紛争の渦中に巻き込まれてしまった。*2

既に紛争は収まっているけれど、

映画に出てきた人々は、緑はどうなったのだろう。。。

 

映画の中で

インナ・モジャは

「時間がない!」と訴えている。

「今、行動を起こさなければ!」と。

 

悲観的になってる場合じゃないね!

 

まずは多くの人にこの映画を見てもらいたい。

*1:アフリカのサハラ砂漠の南側に広がる乾燥地帯で、飢餓ベルトとも呼ばれる。深刻な砂漠化がすすみ、住民は食糧不足に瀕する非常に脆弱な地域となっている。

*2:この紛争の関連記事はこちら。

parwana.hatenablog.com