海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

エジプトからガザへの緊急人道支援

エジプト出張の目的は、

ガザ地区への緊急人道支援物資の調達・輸送の調整。

 

いまだに十分な支援物資が届いていない。

ガザとの国境、ラファで輸送トラックが列をなして

検閲を待っている。

 

物資は食料、飲料水、医薬品、衛生用品、乳児用品などなど

全て命にかかわる品々だけれど、

一体いつ物資が無事ガザ側に到達するか

誰にも分からない。

援助関係の知人は『ブラックボックス』と呼んでいた。

 

トラック運転手だって

いつ物資を荷下ろしできるか分からなくって

家に帰れるか分からないから、いい迷惑。。。

 

エジプト赤新月社がエジプト側ラファで

支援物資管理を一括担当しているのだけれど、

このラファで足止めを食らっているトラック運転手や関係者の宿泊や食事手配なども追加業務となっていて、

 

支援物資管理だけでも機微かつ膨大な業務なのに、

完全にキャパオーバー!

 

ガザへの物流については、

戦争前のエジプトからの物量は

トラック500台だったという話だけれど、

今は100-200台に留まっている。

通常の半分以下。

 

私たちも日常の生活で、

食料も含め生活必需品が

いつもの半分しか手に入らないことを思うと

厳しい生活の様子が想像できる。。。

 

何週間も足止めを食らって

やっとガザ側に出てきたけど、

雨風、日差しにさらされて

食料が劣化して食べられる状態ではなくなっていた

という話も聞いた。。。

 

状況が改善されることを祈りつつ、

エジプト側で出来ることをしていかなければ!

 

今回の出張では

現地の提携団体候補との初リアル顔合わせで、

支援物資の内容の協議、

調達手順や倉庫の様子、物資パッキング、

輸送手配などの確認を行った。

 

倉庫の視察をさせてもらった時は

食料を箱詰めしているところだった。

 

ガザでは燃料も非常に不足しているから、

調理するのにガスコンロも電気もほとんど使えない。

だから支援の食料は、調理不要の

すぐに食べられるものが中心となる。

缶詰、チーズ、デーツなどなど。

 

倉庫ではそれらの食料を

効率的に段ボール箱にどんどん詰めていた。

 

エジプト赤新月社で打合せを行った際に、

おもしろいボランティア活動を見せてもらった。

”One Hour for Gaza”(ガザのために1時間)。

学生が1時間だけボランティアに参加するというもの。

 

ボランティアと言うと

一生懸命貢献します!!って

ちょっと重いイメージもあるけれど、

このボランティア活動では

1時間だけ手伝いに行きますってかんじで気

軽に参加できる。

 

私が視察した際は、

50人くらいの学生ボランティア達が

楽しそうに支援物資を段ボールに箱詰めしていた。

 

2チームに分かれて、

どちらがより早くきれいに箱詰めを終えられるかなんて

ゲーム化して

音楽かけながら、掛け声掛け合いながら

楽しそうに活動していた。

 

いいなぁ、こういう風に楽しみながら人助けできるのって💛

 

複数の提携団体候補と会議を持ったけれど、

こなれた印象でエジプト側で調達・輸送に関して

もたつくことはなさそうな印象だった。

 

もたつくのは、提携合意の内容と書類の最終化、

そしてラファ検問所での検閲。

物資がガザ側に渡った際の物資の引き取り。

 

特にラファ検問所については

極めて政治的であり、

全くもって支援団体のコントロール外。。。

状況改善を祈るしかない!

 

この数日間で

ガザでの戦闘休止と人質解放についての

イスラエルハマスの関節交渉が、

エジプトはカイロで行われた。

交渉は難航というメディアの報道を目にしたけれど、

こちらも休戦合意に至ることを

祈るしかない!