海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

イッツ・ア・スモール・ワールド

この長引くコロナ禍で

我が城のシェアハウスから

転出する人はいても、転入する人はおらず、

滞在者が半分になってしまっていた。

 

占有率が半分になってしまい、

家賃が上がるのではないかと

ドキドキしながら新年度を迎えた。

 

しかし、新年度を迎えた途端、

あれ、この人だれ?

あの人見たことない!

ってことが続いた。

 

数日間の間に、何回も。

 

最初に話をしたのは、

英語の上手な白人金髪の女性。

ロシア出身だった。

日本が大好きで日本語を学びに来たんだって。

 

次に話したのは

カナダ出身の

背の高い長い黒髪の素敵な白人。

仕事で日本に来たそうだ。

 

そしてまだ話をしていないのは、

はにかみ屋さんの女の子。

男性と一緒のようなので、

ボーイフレンドなのか旦那サマなのか。

 

持っていた大きな袋が

きっと南アジアか東南アジアの田舎出身なのかな、と

思い込みいっぱいの推測をしている。

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アジアちゃんの持っていた大きなビニール製の袋はこんな感じ。
中国、東南アジア、南アジアの現地の人が使っているのをよく見る。

 

そして、まだいる!

肌の色の濃いめのフレンドリーな男の子。

英語のアクセントからアメリカ系かな、

でも外見からは出身国の推測は難しい。

 

なんと、サウジアラビア出身だった。

 

アラビア語学校以外で

日本でサウジアラビア人に会ったのは初めて!

 

新入りさんの中で

自分から挨拶してきたのは

実は彼のみだった。

 

これも思い込みというか偏見というか。

欧米系は自分から話しかけるというイメージ。

でも、うちのカナダちゃんはとってもおとなしい。

話しかけても会話が続かない、苦笑。

 

サウジ君はきっと

アメリカかどこかに滞在していたことがあるんだろう。

英語のアクセントもそんな感じだし。

 

でも、初対面の挨拶時に

握手のために手を伸ばされたのには驚いた。

 

だって、サウジアラビアは敬虔なイスラム教国で

女性に触れるのはタブーだから。

 

イスラム圏では4月頭から断食月ラマダンに入っている。

でも、彼は断食してないんだって。

まぁ、イスラム教も旅行中の人は

断食を免除されるというルールもあるのだけれど、

敬虔な多くのムスリム

国を離れていても断食をしている。

 

勝手に欧米系サウジ君とあだ名をつけることにした。

 

こんな感じで、

数日間で人口密度が倍に増えた。

 

一方、私も転職をして新年度から新しい職場となった。

新しい職場では、

ウクライナ支援でバタバタ忙しくしている。

新入メンバーのオリエンテーションも延期が続き、

なかなか仕事始動に至らない。

 

そういえば、国連機関に属してた時は、

緊急対応事態はなくても、

新着任時にほとんどオリエンテーションもなく

放置プレーだったな、

知りたいことは自分で担当者を探して、

担当者に聞いて行かなきゃやっていけなかったな、なんて

懐かしく思い出がよみがえる。

 

日本の団体は手厚く新入社員をサポートしているとつくづく思う。

ここら辺、国民性がよく表れていると思う。

 

職場では、私含めて4人が新しく入社した。

1人は知り合いが知り合い同士だった。

緊急人道支援にはよくある現象。

 

業界自体が狭いし、

緊急人道支援では、期限付きの契約で働く人も多い。

世界のあちこちで起こる

自然災害や紛争の被災者を支援するため

有事が発生すると、

新しい職場の新しい契約で

その国の緊急支援事業に従事する人が多い。

 

「イッツ・ア・スモール・ワールド! また会ったね!」

という挨拶が交わされる。

 

今回は、我が城シェアハウスも

日本、中国、ロシア、カナダ、サウジアラビア、アジアと

スモールワールドが展開中。

 

新年度、仕事も家庭も環境に変化が生じ、

また楽しくなりそう♪