海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

今、必見!「ガザ 素顔の日常」

ガザの日没

最近、映画づいている。

 

ずっと見たかった「ガザ 素顔の日常」

遂に見る機会が訪れた。

www.youtube.com

 

朝、ふと目に入ったXのつぶやきに、

まさにその当日、上映されるってあるじゃない!

すごい! 偶然という名の必然。

中東ジャーナリストの川上泰徳氏の解説付き。

 

川上氏のことは全く知らないけど、行く、行く!

ジャーナリストが解説してくれるなら

映画の理解も深まりそう!

 

ガザって言うと、紛争、占領地ってイメージが付きまとう。

でも、私たちと同じように

ガザの人々も毎日の生活を営んでいる。

 

ガザの人々の日常の一コマ一コマを追いながら

ガザを応援したくて、

映画上映会場に足を運んだ。

 

映画は大人、子供、男子、女子数人にスポットを当てる。

救急救命士にも。

彼らの日常と複雑な思い、彼らの家族。将来の夢。

 

私がガザに訪れた時は

毎回海沿いのホテルに滞在した。

ホテルから地中海の青い海を眺めるたび、

海はこんなに広く、気持ちよく、開放的なのに、

閉塞感、絶望感漂うガザの空気との落差が余りにも大きすぎて

余計気が滅入ったことを覚えている。

ガザの海

 

いや、でも、海を眺めて現実逃避できるというだけ

地中海の青く広い海が救いかもしれない。。。

 

実は、その海も、

インフラが不十分かつ電力制限が厳しいガザで

汚水処理が出来ず、

汚水はそのまま海に垂れ流されていると聞いたけど。。。

 

映画でも、いくつかの視点から

海がガザの人々の生活に結びついている様子が

描かれている。

 

「天井のない監獄」と呼ばれるガザ地区

一般の人はほとんど出入りできない。

東京23区の6割程度のせせこましい範囲に

230万人の人があふれている。

だから仕事だって、ほとんど2人に1人は失業状態。

新卒者に至っては失業率は70%にも至っている。

状況が良くなる兆しも、希望もない。

数年ごとにイスラエルからの攻撃を受ける。

 

こんな場所にいたら、

精神を病むか、

怒り、憤りを「原因」に向けて爆発させるか。。。

 

聞こえない叫びが

映画から響いてきた。

 

映画後の川上氏の解説は、

パレスチナ問題の歴史から現状分析まで

現地取材歴のあるジャーナリストならではの情報もたくさん、

質疑にも丁寧に回答下さり、とても勉強になった。

 

川上氏曰く、

イスラエルの攻撃を非難すると

ハマスを擁護するのか!と炎上してしまうが、

どちらの側につくなどの政治的な話でなく、

イスラエルでもガザでも

多くの一般市民が殺されているんだ!と。

 

その人道主義の姿勢に大共感!

 

この映画、一人でも多くの人に見てほしい。

一人でも多くの人に

ガザの人々の気持ちに寄り添ってほしい。