前回オリーブは平和のシンボルと紹介した。
それでエルサレムに駐在時に、
秋のオリーブの収穫の季節には
仕事は休んで、家族総出でオリーブ収穫に勤しむんだって
話してくれたことを思い出した。
オリーブの産地というと、
イタリアやスペインなど地中海沿岸の
温暖で乾燥してラテンな国々ってイメージだけれど、
シリアやパレスチナなどもそのお仲間。
中東と区分される地域だけれど
地中海東岸に位置していて、
実はオリーブの一大産地なのだ。
オリーブの原産地とも言われている。
そして、今10月から11月は
パレスチナではまさにオリーブの収穫の季節。
家族総出でオリーブの収穫と聞けば、
肉体労働ながらも力を合わせた共同作業で
作業の合間の家族団らんの
お茶やお弁当が楽しそうだな、
なんて思ってしまうのだけれど。
残念ながら、パレスチナでは状況がちょっと複雑。。。
世界で137か国が国家承認しているパレスチナに
イスラエルがじわじわと確実に侵略してきている。
ユダヤ人のための道路や住居をどんどん建設し、
パレスチナ人の家を破壊し、
オリーブの木に火を放ち、切り倒し、
パレスチナ人の土地を奪っている。
過去10年で10万本ものオリーブの木が
被害に遭ったという説もある。
10万本。。。
暴行を受けたり、殺されてしまうということは
誇張ではなく、起こりえる話なのだ!
パレスチナ人の土地なのに。
なので、自分のオリーブ園なのに
手入れのために行くこともままならず、
オリーブの収穫時も慎重にならざるを得ない。
特に危険度の高いと思われる地区などでは
収穫時期の一定期間ボランティアを募って
できるだけ短い期間で収穫を終わらせようとしている。
危険にさらされる時間をできるだけ短くする作戦だ。
ボランティア団体が企画して
現地の大学生や青年なども多数参加するらしい。
命がけのオリーブ収穫。。。
ソウルツリーのオリーブに
こんな背景もあることを是非知ってほしい。