海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

デニス・マーケット@ワラビスタン

せっかくのワラビスタンなのに、

インターネットにはほとんどレストランやお店の情報がない。

 

それで、ハッピーケバブのお兄ちゃんに

他にお店がないか聞いてみた。

 

ちょっと先に行くとレストランがあるという。

良かった。やっぱりワラビスタンだ。

どちらにしても歩いてクルド物産店に行く予定なので、

物産店に行きがてら、レストランに寄り道してみよう。

 

数分歩くと、あった、あった!

ステラ・ダイニング&バー

窓ガラスから中をのぞくと、クルドな雰囲気満載。

カラフルなオスマン風モザイク・ランプが空間を彩り、

壁は下から真ん中ぐらいの高さに水平にチューリップ柄のタイルが並び、

トルコな雰囲気を醸し出している。

もちろん水たばこも置いてある。

 

お兄ちゃんが数人で看板を張り替えていた。

みんなクルド人っぽい。

やっぱり、ワラビスタン。クルド人、いるところにはいる。

 

物産店に行ってからステラでお茶をすることにして、

物産店に足を進めた。

 

ついに、デニス・マーケットに到着。

結局、駅から15分ぐらいは歩いた気がする。

結構歩いたし、期待値高かっただけに、

シンプルかつこじんまりとしたたたずまいに

またもや拍子抜け。。。

 

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ファミリー・ビジネスな雰囲気のシンプルなデニス・マーケットでは

オーナーの子供たちが

まるちゃんの一眼レフカメラで遊びたがったので、

カメラを渡して、遊ばせてあげた。

まるちゃんったら、良い人なんだから。

 

しかし、こんなところ、日本人の子供たちと全く違う。

きっと日本人の子供なら、はずかしがっちゃって、

初対面のお客さんには寄り付かないだろうに。

 

子供たちがカメラで遊んでいる間、

私とまるちゃんはクルド食材に目を輝かせた。

スパイスやら、ヒマワリの種などナッツやら、

ざくろソースやら、フムスの材料となるタヒニと呼ばれる胡麻ペーストやら、

大きなプラスチックケースに入った大量のオリーブやら、

スマックと呼ばれる赤い酸味のある香辛料の粉やら

(スマックはケバブや玉ねぎ、キュウリなどにかけて食べる)、

ドルマと呼ばれる郷土料理を作るための

乾燥させた野菜の皮までもが売っていた。

 

クルド食材と書いたけれど、本当は周辺国のトルコやアラブの国々でも

呼び方は違えど、同じ食材、料理を楽しんでいる。元々のオスマン帝国の影響なのだろう。)

 

日本語をほとんど理解しないお店のおじちゃんと

クルド語、しかもトルコ系クルド語はほとんど分からない私と、

それでも何とか会話して、

私がクルドで働いていたこと、

彼らの出身地ガジアンテップ(*)には

シリア難民支援で何人か友人が働いていること、

私も陸路イラククルドからトルコに国境を抜けたことがあることなど伝えた。

 

とっても喜んでくれたおじちゃん、

売り物のサクランボ・ジュースを手渡してくれた。

ギフトだと言って。

ああ、クルド人の大らかさ。

クルドの懐かしい味がした。

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コンビニやスーパーに入り、目的のものを手にレジに急ぎ、

そそくさとお店を後にする

普段の日本での買い物パターンと

全く違った時間が流れる、ここ、デニス・マーケット。

 

(*) ガジアンテップは、トルコ南部の大雑把に行って真ん中あたり、シリアとの国境に位置する県で45万人にも上るシリア難民受け入れている。私の知人も何人かガジアンテップで働いている。ググって見たら、美食の町だそう。確かに、ここら周辺国、中東のみんなが大好き、バクラヴァというナッツとシロップとで激甘かつ超高カロリー、でも美味なお菓子で有名と聞いたことがある。ググった際に、シリア難民の話が上位検索に全く出てこないのは残念。