海外支援従事者のひとり言

アジア、アフリカ、中東と緊急人道支援で渡り歩き、合間合間で旅に出る、半ノマド生活を送るパルワナが、海外支援で思うこと、旅の話、世界のこと、日本のことについて独り言ちます。

マザー・テレサの施設でのボランティアの日常

今年の2月にブログを始めてから、

なぜ国際協力に関心を持ったか、海外支援の仕事をしたいと思ったか、

そして、インドのマザー・テレサの『神の愛の宣教者会』(MC)で

ボランティア志願をしたことなど、

ちょろちょろと書いた。

マザー・テレサのボランティア関連最後の記事はこちら。

parwana.hatenablog.com

 

今日はMCでの当時のボランティアの日常を紹介したいと思う。

 

ボランティア希望者はまず最初に

月・水・金の午後に行われるボランティア・オリエンテーションに参加して

ボランティア登録をする。

オリエンテーションで、スケジュール、活動内容、注意事項などを聞き、

自分の活動施設を記入したボランティア・カードとMC特製メダイ(*)をもらって

やる気満々で翌日からボランティア活動に参加することになる。

 

MCはキリスト教のローマン・カトリックの修道会なので、

朝はごミサから始まる。

毎朝6:00からの全シスター(修道女)たちの集い。

MCの本拠地マザー・ハウスの2階、ごミサの行われるチャペルには、

座って祈る等身大のマザー・テレサの像が、

生前、そうされていたままの姿で、いつもごミサにあずかっている。

 

ボランティアも関心のある人は参加できる。もちろん参加しなくてもいい。

参加したら、そのあとパンとバナナ、チャイの朝ごはんが頂けるという特典付き。

ごミサに参加しなくても、その時間行にけば

朝ごはんにありつけるけど、笑。

さすがインド、もれなく本場チャイが朝ごはんについてきます。

 

そして、それぞれがそれぞれのボランティアの担当場所に散っていく。

施設はそれぞれ別の場所にあるので、歩いて行ったり、

トラムやバスに乗って行ったり。

 

路上で死にかけているホームレスの人々が

最期を愛を感じながら人間らしく旅立てるようにと

マザー・テレサがつくった施設「死を待つ人の家」は有名だけれど、

その他にも、シュシュ・ババン(幼児の孤児院)、シャンティ・ダン(孤児院)、ダヤ・ダン(障害児の施設)、プレム・ダン(障害のある人たちの施設)、などなど

いくつも施設がある。

 

施設に到着すると、施設備え付けのエプロンを付け作業に取り掛かる。

が、誰が何をやるとしっかりと決めるわけでもなく、

見よう見まねで、手が足りなさそうな活動のお手伝いをする。

主な仕事は、お洗濯、お着換え、障害のある人や子供の簡単なリハビリ、

食事の手伝い、おそうじ、などなど。

基本的には、シスターたちが各持ち場を仕切っているが、                            

数か月から年単位で活動している長期ボランティアをもいるので、

そのような人に、作業のコツを聞いたりする。

 

ボランティアは季節で人数に変動があり、

夏や冬は休みがとりやすいせいか、ボランティア大量で、

施設に行ってもボランティア密度がとても高く、

することを見つけるのも大変だったりして、笑。

でも、MCは来る者拒まずなのです。

 

午前中4時間程度のボランティアの合間に、お茶の休憩時間がある。

ビスケットなどのスナックと、

もちろんスパイスたっぷり夏でも熱いインド・チャイ。

 

その時に、ボランティア間で交流できるのが楽しい。

どこの国から来たの?

どのくらいボランティアしてるの?

他にどの施設でボランティアした?

 

ボランティアはそれこそ老若男女、世界のあちこちからやって来る。

看護師さん、大学教授、夏休みの学生、60代の元気なバックパッカー

小学生とお父さんの親子、ボランティアするために退職してきた人、などなど。

 

日本人率は低くなく、

ほとんど毎日日本人ボランティアを目にした。

 

この記事を書くにあたり、ちょっとググって見たら、

なんと今は、「ホームステイ付きマザーテレサ・ボランティア・ツアー」なるものが

たくさん企画されていた。

便利な世の中になったなぁ。

 

当時はマザー・テレサのところでのボランティア・ツアーなんてなかったし

私のボランティア活動、

。。。ちょっと面白い展開になった。

 

(*) メダイ: 金属製の小型で薄型円形のもので、表面や裏面に、キリスト、マリア、聖人、聖堂、キリスト教シンボルなどが刻まれています。カトリック信者が、教会の祝別を受け、自分の信仰を高めるため、また、自分の信仰を忘れないために、身につけたり、携帯しています。(女子パウロ会HPより

https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_medal.php)

聖母子のメダイ